3分でわかる「医療費控除、どこまで対象になる?」

2026年10月15日

「病院代以外にも、医療費控除の対象になるものはある?」

「市販薬や通院の交通費は?」

「家族の医療費もまとめて申告できる?」

1年間に支払った医療費。確定申告で医療費控除を受けられる場合がありますが、どこまでが対象になるのか、迷う方も多いのではないでしょうか。

今回は、令和8年分(2026年分)の確定申告を対象に、医療費控除の対象になるもの・ならないものや、控除額の計算方法について、具体例を交えながら解説します。


そもそも「医療費控除」とは?

医療費控除とは、自分や生計を一にする配偶者・親族のために医療費を支払った場合に、一定の金額を所得から差し引くことができる制度です。

令和8年1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費が対象となり、令和9年(2027年)に行う確定申告で申告します。

ただし、医療費がそのまま戻ってくるわけではありません。医療費控除によって課税対象となる所得が減り、その結果、所得税や住民税の負担が軽減される仕組みです。


どんな費用が医療費控除の対象になるの?

医療費控除の対象になるかどうかは、原則として、治療や療養に必要な費用かどうかがポイントです。

① 病院の診療費や治療費

医師や歯科医師による診療・治療の費用は、原則として対象になります。

例えば、次のような費用です。

・病院や歯科医院での診療費

・虫歯の治療費

・治療のための入院費

・治療に必要な医薬品の購入費

・治療のために必要なコルセットなどの医療用器具の購入費


ただし、健康診断や人間ドックの費用は、原則として対象外です。

検査の結果、重大な疾病が発見され、引き続きその疾病の治療を行った場合などは、対象となることがあります。また、美容を目的とした整形手術など、治療を目的としない費用も原則として対象外です。

② 市販薬や通院の交通費

医師から処方された薬だけでなく、風邪をひいたときに購入した市販の風邪薬なども、治療や療養に必要なものであれば対象になります。

通院のために利用した電車やバスなどの公共交通機関の運賃も、原則として対象です。

一方、次のような費用は原則として対象外です。

・病気の予防や健康増進のためのビタミン剤

・自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車場代

・公共交通機関を利用できる場合の通常のタクシー代


ただし、病状などにより公共交通機関の利用が難しい場合のタクシー代は、対象となることがあります。

医療や健康に関係する支出であっても、すべてが医療費控除の対象になるわけではありません。支出の目的や状況に応じた判断が必要です。

③ 家族の医療費

医療費控除は、自分自身の医療費だけでなく、生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費も対象になります。

例えば、家族の病院代や薬代を負担している場合、一定の条件を満たせば、自分の医療費と合算して申告できます。なお、生計を一にしているかどうかは、必ずしも同居しているかどうかだけで判断するものではありません。


医療費がいくらあれば控除できるの?

医療費控除額は、原則として次の計算式で求めます。

医療費控除額 = 実際に支払った医療費 − 保険金などで補てんされた金額 − 10万円

ただし、総所得金額等が200万円未満の場合は、10万円ではなく総所得金額等の5%を差し引きます。

例えば、次のケースで考えてみましょう。

  ・1年間に支払った医療費:30万円

  ・保険金などで補てんされた金額:0円

  ・総所得金額等:200万円以上

  この場合、医療費控除額は次のようになります。

    30万円 − 0円 − 10万円 = 20万円

  この20万円を所得から差し引くことができます。


なお、医療費控除額の上限は200万円です。

また、実際に軽減される税額は、所得や適用される税率などによって異なります。

医療費控除を受けるには?

医療費控除を受けるためには、原則として確定申告が必要です。

令和8年分の申告に向けて、次の点を確認しておきましょう。

・令和8年中に実際に支払った医療費を確認する
・医療費の領収書や医療費通知を整理する
・保険金や高額療養費などで補てんされた金額を確認する
・医療費控除の明細書を作成する

医療費の領収書は、原則として確定申告期限等から5年間保存する必要があります。

医療費通知を利用することで、明細書の記載を簡略化できる場合もあります。

また、一定の市販薬の購入費については、通常の医療費控除とは別に「セルフメディケーション税制」を選択できる場合があります。

ただし、両方を同時に適用することはできません。

対象となる医薬品や適用要件を確認し、どちらを利用するか検討しましょう。


税理士からのワンポイント

医療費控除で大切なのは、「医療に関係する支出かどうか」だけでなく、「治療や療養に必要な支出かどうか」を確認することです。

通院費や市販薬の購入費など、対象になる場合がある一方で、健康診断や予防目的の費用など、原則として対象にならないものもあります。

また、医療費控除は、対象となる医療費の合計額だけでなく、保険金などで補てんされた金額や所得によっても控除額が変わります。

「この費用は医療費控除の対象になるの?」

「家族の医療費もまとめて申告できる?」

「医療費控除を受けると、税金はいくら変わる?」

このような疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。

医療費控除の仕組みを正しく理解し、確定申告に役立てましょう。

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